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映画「6才のボクが、大人になるまで。」を観た。

映画

 

映画「6才のボクが、大人になるまで。」

原題:Boyhood を観てきました。


簡単に説明すると、
両親が離婚している複雑な家庭の息子の6歳~18歳、高校卒業を卒業して親元を離れるまでの多感な12年間を同じキャストで12年かけて撮影するという中々実現できない試みを経て撮影された、家族の変化の物語。

 

ただ12年の時間をかけて撮影された映画でははく、内容も伴っていて非常に見ごたえがありました。

 


12年という長期にわたる撮影だったため内容を決め過ぎず、
主人公の少年と、その姉(演じたのは監督の娘)の成長に合わせて、脚本の内容を考えた様で、
例えば主人公の少年が12年の間に物凄い太っていたら全く別の内容にしていたと監督のインタビューに載っていました。面白い。

 

私は日本での劇場公開が終わる直前に観てきたのですが、
映画の長さが2時間半を超えるので、個人的には映画館で観ることが出来て大正解でした。


映画館のスクリーンと椅子だから途中だれることなく観る事ができますw

 

数々の映画賞をノミネート&受賞していてアカデミーにもノミネートされている大評判の映画でしたが、なるほど大評判だったのがよくわかる素晴らしい内容でした。

 

※以下ネタバレ込み

 

 


ここではネタバレを気にせず、私の感想をメモ書きしていきたいと思います。


・淡々と進む。

主人公の家族は複雑な家庭事情です。
物語が始まった時点で母子家庭。母一人、娘一人、息子一人。
父親はアラスカにいる様で離婚済み。離婚の理由は明かされていません。
しかも母親に粘着している男がいて、経済事情も芳しくない。母は自分の希望と家族の経済の為に大学に通う事にし、引っ越しを決意する所から物語が始まります。

 

その後アラスカから帰ってきた実の父親が出てきて2人の子供と定期的に交流をしたり、
母親が再婚したり、その後再び離婚をしたり、
別の男と付き合って同棲を始めたり、

そしてまた上手くいかなかったりと、

 

複雑な家庭事情らしい展開を見せていきます。


子供は子供で好きな事を見つけたり、

恋をしたり、

若気の至りをやらかしたり。

 

変わった家族ではありますが、そんな家族にとっての日常が淡々と描かれていきます。


歳も淡々ととっていく。特に区切りがなくシーンが変わると突然中学生になっていたり、髪が伸びていたり短くなっていたり。


演出的な盛り上がりポイントはほぼ存在せず、見る人によっては退屈さを感じるかもしれません。

 

 

・淡々と進むが故に省かれた過剰演出。

象徴的なシーンがいくつかありますが、その内の一つを紹介しましょう。

ある日、家族の家の水道管を修理しにメキシコ人がやってきます。彼は見るからに優秀そうなのですが、英語が話せない移民です。

その時主人公の母親が彼に「君は賢いからちゃんと学校に通って教育を受けた方がいい」というアドバイスするんです。

 

そうしたらその数年後主人公家族がレストランに訪れると、なんとそのレストランのオーナーが母親に「あなたのおかげで人生が変わった」と感謝しにくるシーンがあります。

そのオーナーはその時のメキシコ人。母親のアドバイスを受け学校に通い、英語ペラペラになって出世した訳です。しかも映画の最後の方にやってくるシーン。

感動的ではありませんか。

 

ちょっとくさい演出にでもなるのかと思いきや、アドバイスをした母親はどうやらあまり覚えていない。
感謝が上手くかみ合わない。とてもあっけないんです。

あえて感動的なシーンにしない。そんなもんでしょ、って。

これは個人的な好みなのですが過剰演出を好む傾向ってあまり好きじゃないんです。
だからスッキリさせているのが好みでした。

本当はもう一か所。母親の最後の引っ越しのシーンも、すっきりしていて非常に好みなのですが、

詳しく書くのはやめておきます。

 

・不安定の表現。

12年の物語なので、いちいち全シーンは描かれません。

家族に動きがある時、象徴的な出来事がある時、日常、全てランダム。

人っていちいち全ての出来事を覚えている訳ではないと思います。

学校の卒業式の事を覚えていない人だっている。

でも姉に悪口を言われたとか、

父親に靴を貰ったとか、

変な事は覚えている場合とかがある。

映画の中で切り取るシーンが凄く面白くて、

家族の記憶を共有されている気分になります。

しかもこれを全て読んでいる方はご存知の通り主人公は不安定な生活を送っているのですが、

主人公が思春期なのも相まって、次に何をしでかすのか分からない演技をするんです。

脚本が全て出来ていない状況で演技をしている影響もあるのかもしれません。

淡々と物語が進む構成と相まって主人公の不安定さがリアルに伝わってきました。

 

次に何が起こるか分からない、大きな出来事をあっさり描く。

この映画の醍醐味はそこにあったような気がします。

 

2015年の2月になるころには劇場公開が終わっているのではないかと思います。

私は映画館で観る事をお勧めします。